手順・・・移植方法

移植の方法は樹勢や時期などによって決定します。

樹木は長い間一定の場所に定着しているため、その根は四方八方に張りめぐっています。

また樹木は根の末端の細根、根毛から水分や栄養摂取を行うため、移植に際して大部分の根を切り捨てることは移植後の十分な活着や生育を困難にしてしまいます。そこで移植後の活着、生育を良くするためにあらかじめ根廻しを行うことが大切です。

根回し

根廻しは移植しようとする樹木の生育地で、根本近くの根を切断することにより切断した部分から細根の発生を促すための処置です。

根廻しの時期は春の萌芽前に行うのか最も良く、遅くとも秋に入る前に行う必要があります。萌芽前は樹木の生長が著しく細根の発生を促すには、適期だからです。 春に根廻しを行った樹木の移植は

  ・落葉樹.....その年の秋か翌年

  ・常緑樹.....翌年の春か梅雨期

に行うのがよいでしょう。
状況によってはさらに1年後にずらすことも考えられます。

根回しの方法

横堀式

1. 移植時の運搬と移植後の成長を考えて根本直径の3~5倍の鉢を定め、周囲を堀込みます。この時支持根となるべき太根は三方か四方にとり残し、他の根は鉢に沿って切断します。

2. 残した支持根は根の基部と先端部との流通を断ち発根を促すため幅10・程度の環状剥皮を行います。

3. 太根の処置の後、根巻き、縄締めを行い、仮支柱をかけて表土を埋め戻します。この時、根からの吸収量と葉からの蒸散量のバランスをとるため、枝葉を減量しておきましょう。

断根式

この場合、溝掘式のように根巻きは行わずに側根だけを切断する方法で、比較的浅根性の樹木に適用されます。幹の周囲を掘り廻し、そこに出ている根を切り離すのみ。簡単に行うには、地表から根切り鋏で側根を切るだけでも効果はあります。根廻し後は植栽後の養生と同じです。 

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