剪定の目的

鑑賞目的

樹種固有の美しい姿を表すとともに、他の樹木の生育を助ける等、連帯性のある美しさを表現する事が目的です。

この場合、観賞される樹木は、一般家庭や公園、街路樹など様々な場所が考えられます。例えば公園においては、比較的四方から眺める場合が多く、八方美人の樹木でなければなりません。また街路樹や並木は一定の距離を隔てた場所からの眺めが美しいでしょう。

こういった樹木の場合、日照、風通、病虫害などを考えた総合的な方法による剪定作業が必要になります。また、花木の場合は開花習性に合わせて剪定を行うことで、見事な開花が望まれます。

家族や来訪者、通行人などの目を十分に楽しませるような樹木に仕上げるのが目的です。

生育目的

植えられた樹木は放置しておくと枝葉が密生し樹形が乱れたり生育が阻害されてしまいます。

適切な剪定を行うことで、樹木の発芽や発根、生育を促進し、老化を防止し若返りをはかります。そして、日照や風通しを良くし、病虫害の原因を取り除くことで樹木の健康を守ります。

実用目的

例えば公園にある大樹の緑樹は、私たちを夏の強い日差しから守ってくれます。また、樹木の列植、混植は防塵や排気ガスなどを遮断する効果があります。
イチョウ、サンゴジュ、アオキなどの落葉・常緑高厚葉樹は、防火効果が大きいため防火樹として貴重な役割を果たします。また、目隠しとしての植樹は、プライバシーを守り、防犯的な効果も大です。

このように樹木には様々な実用的な機能があり、剪定を行うことでその機能を効果的に発揮できるようになります。

果実の栽培目的

果樹は果実の栽培を目的にした場合と、花や実を観賞目的にする場合があります。前者の場合は、整姿よりも着果を主体とした基本剪的な整姿剪定を行うことが必要となります。また、後者の場合は、開花習性に適した時期の剪定が重要です。

翌年の花芽がいつ出てくるのかを知らないと、せっかく持った花芽に気付かずに剪定してしまうかもしれません。 

移植時等の生理的調整目的

樹木の根廻し及び移植時は、太根や細根などを切除するため枝葉への水分供給が不足します。この水分不足で生じる樹勢の衰弱を補うために、適度に枝を切除する必要があります。新葉を切除し花を摘むことで水分の需要と供給のバランスを調整し、移植後の活着を促進します。

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